スターリングは歴史ある町だけあって、宿にも歴史があります。私自身は地元住民なので、スターリング内の宿にはほとんど泊まったことがないため、残念ながら「おすすめの宿」といった情報は持っていません。代わりに、観光スポットとしての宿をちょっと紹介してみます。
なお、「おすすめの宿」情報をお持ちの方は、ぜひ掲示板に書き込みを!
スターリングでいちばん格の高いホテルで、私の勤め先の会社でも、日本からVIPが来た時にここに泊めています。堂々たる石造りの建物を見て、さぞや伝統あるホテルに違いないと思う人もいるかと思いますが、実はホテルとしてオープンしてからまだ10年足らず。
建物自体が古く見えるのは、もともとヴィクトリア朝時代に建てられたハイスクールだったからで、ずっと空家になっていたのをホテルに改装したのです。そのため、ホテルの中の宴会場やレストランなども、学校をテーマにした名前がついています。
格が高ければ値段も当然高いので、優雅な旅を目指している方にしかおすすめできませんが、泊まらなくても中を見ることは可能。ホテル内にレストランが2つあるので、そこに入るという手です。
イタリア料理の「リッツィオ(Rizzio)」は、道に面した入り口を入るとすぐ右手。時間限定でピザ食べ放題なんてのをやっています。※注1)
フランス風料理を出す「スコラーズ(Scholar's)」はホテルの2階にあります。スコットランドのレストランというと、わりと高級な店でも気さくな感じのスタイルのところが多いのですが、ここは伝統的というか、なんだか格式ばったサービスです。当然値段もけっこうするのですが、あまりお金を使わずにホテルの中が見たい!という人は、アフタヌーン・ティーの時間に入ってみましょう。ついでにちょっと迷ったふりをして建物の中を少し見物すると、ふーん、昔の高校っつーもんはこんな感じだったのだなあと、けっこう楽しい時間が過ごせます。あまりうろうろしてつまみ出されないよう注意。
ハイランドホテルの登場ですっかり影が薄くなってしまいましたが、格式では少々劣っても、歴史ではこちらの方が上。なにせホテル開業は18世紀、ご自慢は1787年に詩人ロバート・バーンズがここに投宿したことだというからすごい。当時はゴールデンライオンではなく、「ウィンゲーツ・イン」という名前だったそうです。
バーンズが泊まったのはスターリング城を見物してきた帰り。スチュアート王家が首都王城として使っていたスターリング城も、ハノーヴァー朝時代の当時には廃屋同様に荒れ果てていたらしく、そのことに憤慨したバーンズは、ホテルの部屋の窓に「ハノーヴァー王家は馬鹿者一族だ」という主旨の詩を落書きをペン先で引っかいていったそうです。当然このことは世間に広まり、バーンズもきついお叱りを受けたらしく、数ヵ月後にウィンゲーツ・インに戻ると、なんと落書きの残っている窓を叩き割って帰ったとか。なかなかとんでもない奴です。
この詩の書かれたガラスの破片は、50年ほど前までゴールデンライオンホテルで保管していたそうですが、火事で焼けてしまって今はもうありません。残念。
当時のユースホステルはアーガイルズ・ロッジング(Argyll's Lodging)という17世紀の建物の中にありました。スターリング城のすぐ下、ポートカリスホテルの斜向かいのピンク色の建物です。その後この建物が手狭になったのか、観光資源に転用することになったのか、事情はわかりませんがユースホステルは別の建物に移り、アーガイルズ・ロッジングは自由に見学できるようになりました。「こんな建物をユースに使うなんて!」とびっくりしたくらい、中は立派でした。

新しいユースは、「新しい」といってもやっぱり古い石造の建物で、ずっと廃屋になっていたのをきれいに改装したものです。この建物は18世紀の教会の跡地に立っているそうで、前庭の脇に墓石から並んでいるのでちょっとぎょっとします。建物の真正面にある丸屋根のモニュメントは、教会を設立した牧師のお墓だそうですが、教会自体はもう残っていません。私はこのユースの中には入ったことがないのですが、通りがかりにちらっと覗いてみた印象では、こちらも前のユースに劣らずなかなか立派そうなところです。泊まったことのある方、情報提供を歓迎します。
スターリング大学寮
スターリングを旅行の拠点にして、1週間くらい泊まりたいという人向きのちょっと変わった自炊宿として、スターリング大学の学生寮があります。大学が夏休みになる6月から9月には、学生はみんな帰省してしまうので、この期間に学生寮の部屋を一般向けに貸し出ししています。旅行者の他、留学生や放送大学の夏季講座などをやっているので、そういう人たちに混じってスコットランドの学生生活を体験してみるというのも面白いかも? 興味のある方はスターリング大学の項も参照してください。
学生寮なのであまりこぎれいな部屋は期待できませんが、寮の一部は数年前に改装してかなりきれいにしたとの噂。ただしきれいな部屋は料金も割増です。キッチンやバストイレは共用です。自炊はいやという人は、キャンパス内の学食やバーガーバー、大学の近所のホテル、カフェなどを利用するか、スターリングの町まで出ることになります。なお、寮の中のワンルームを借りるだけでなく、グループで学生フラットやシャレー(山小屋風)を借りることもできます。私は結婚直後住むところがなくて困っていたので、3ヶ月くらいキャンパスの夫婦向けフラットに住んでいました。
田舎のB&Bというものはたいていの場合、大きいだけの普通の家。大きいということは高いということなので、町の中でもわりと高級な住宅地に多いものです。石造りで出窓に花が飾ってあって、見るからにすてきな邸宅という感じの宿が多いです。ただし、基本的には普通の家なので、部屋数はあまりありません。特にシングルルームは少ないので、ダブルルームを狙った方が部屋がとりやすいことがあります(割高になりますが・・・。その代わり、普通ダブルルームの方が内装はシングルよりきれいです)。なお、スターリングのB&Bは夏だけ開業というところが多いので、イースターや5月の連休など夏以外に一時的に旅行者が増える時期には、開いている宿が少なく非常に混むので注意。